いよいよイスラム教徒にとって重要な期間である「ラマダン(断食月)」が始まります。人口の約6割がイスラム教徒(ムスリム)のマレーシアでは非常に重要な期間とされています。
イスラム教は世界三大宗教の1つで、イスラム教徒は世界人口の1/4を占めます。日本にも20万人以上のイスラム教徒が住んでいると言われていますが、日常生活の中では少し馴染みが薄いかもしれません。
僕も残念ながら、日本国内にイスラム教徒の友人はいませんでした。ただ、「郷に入れば郷に従え」ということわざがあるように、マレーシアでの新生活をスムーズにスタートさせるために、イスラム教の基本を学ぶことができた本を2冊紹介します。
「郷に入れば郷に従え」とは、自分が訪れた土地や環境に適応し、その地域の風習や慣習に従うべきであるという教えである。この言葉は、人々が新しい場所や異文化に触れる際に、柔軟な態度で受け入れることの重要性を示している。また、異なる文化や価値観を尊重し、互いに理解し合うことが円滑なコミュニケーションや協力関係の構築に繋がるという意味も含まれている。
実用日本語表現辞典
- ラマダン(断食月)とは
- イスラム教の基本を学ぶことができた本2冊
自己紹介
まる(@maru_Chuotto)です。
IT企業を退職して、駐在夫としてマレーシア移住予定の一般男性です。
ラマダン(断食月)について
いよいよイスラム教徒にとって重要な期間である「ラマダン(断食月)」が始まりますが、みなさんご存知でしょうか?
ラマダン(Ramadan)とは
「ラマダン」というのは「断食」を意味すると誤解されがちですが、ヒジュラ暦の第9番目の月の名前です。
この期間に行われるのがイスラム教徒の義務とされる五行の1つである断食(サウム)です。
- 信仰の告白(神を信じることを声に出す)
- 礼拝(1日5回お祈りをする)
- 喜捨(富める者は貧しい者に与える)
- 断食(ラマダン月は日中の飲食を絶つ)
- 巡礼(一生に一度は聖地に行く)
約1か月の間、日の出から日没まで飲食を断つことで、精神的な浄化や自己研鑽に励みます。
この期間は、日の出前から日没までの間、飲食・喫煙・性的な営み・喧嘩が禁止されています。
ラマダン(断食月)はいつから始まる?
2024年は3月12日に開始予定です。
新月の観察によって決定されるので、開始の日付は毎年異なります。
断食する時間帯
とはいえ期間中ずっと断食を続けるわけではありません。
日の出から日没まで断食をするので、夕方の日没時から翌日の日の出までは飲食は許されています。
このタイミングを「ブカプアサ(Buka Puasa)」と呼びます。
「このタイミングで食べ過ぎてしまい、普段より太りやすいこともある」と友人が冗談ながらに言っていました。笑
ラマダン(断食月)が終わると
2024年の4月11日に「ラマダン」が終わり、次の日が「ハリラヤ・プアサ(Hari Raya Puasa)」の祝祭日のスタートと予測されています。
この期間には、多くの家族が実家に戻り、豪華な食事や音楽を楽しみます。日本での新年やお盆の帰省に似た慣習で、断食月を無事に終えたことを大勢でお祝いし、喜びを分かち合う特別な時間です。
翌日の朝には、新しい月を迎えるための特別な礼拝が行われます。多くの人々が晴れ着を身に着けてモスクへと集まり、互いに挨拶を交わします。初詣に近いような感覚ですかね。
イスラム教の基本を学ぶことができた本2冊
「ラマダン(断食月)」だけでも知らなかったことがたくさんあったと思います。
「イスラム教についてもっと知りたい!ただいきなり難しい本だと抵抗感がありそう…」と思った時に偶然見つけたのが、「イスラムと仲よくなれる本」でした。
イスラムと仲よくなれる本(初級)
「小学生でも読めるように、イスラム教徒の”いろは”をご紹介しています。」と書評にもあるように、とにかく優しい文体なので、入門書としてベストです。
イスラム教に対する誤解を優しく解きながら、イスラム教徒の衣食住について下記のようなわかりやすい項目で学ぶことができます。
事前に学んだおかげで、マレーシアに来てからイスラム教徒と話すと「よく知っているね!」と褒めてもらうことも多く、一気に距離感を縮めることができています。
- なんで女の人は髪の毛をかくすの?
- 「ハラールフード」って何?
- まちがって豚肉を食べてしまったらどうする?
- イスラムの子のとなりでハンバーグを食べてもいい?
- 断食する期間があるって本当?
- 好きな女の子・男の子と仲よくなっちゃいけないの?
- パパとママみたいにお酒は飲めないの?
- 女性は黒しか着ちゃいけないの?
- そもそもなぜお祈りをするの?
- お祈りはいつおこなうの?
- 預言者ムハンマドってどういう人?
- 聖典「クルアーン」って何?
分断を乗り越えるためのイスラム入門(中級)
「イスラムと仲よくなれる本」によって、「イスラム教にどんな教えがあるのか、それはどんなルーツから来ているのか」をよく理解できました。
更に「イスラム教で育つとどんな価値観や考え方を持つのか」を深く理解したくなり、次に「分断を乗り越えるためのイスラム入門」を読みました。
イスラム文化から直近の世界情勢まで幅広く触れながら、イスラム教徒の思考回路を非常にわかりやすく説明しています。読まずにマレーシア入国していたら、「なぜそうなる?(怒)」みたいなのが多発していた可能性が高いですが、読み終えた後だったので、「あぁこれか(笑)」みたいに流せるようになりました。
イスラム的価値観に偏っているというレビューもあるようですが、個人的には日本のニュースは西欧寄りな気がしているので、バランス良く書かれているように思いました。
まとめ
今回は「ラマダン(断食月)」と「マレーシア移住前に読んでおくと良い本」についてまとめてみました。
日本で外国人と会話をする時に、エンタメでも文化でも「自分の国を知ろうとしてくれている!」という姿勢や態度がわかると、その人との間に特別なつながりを感じます。これは国や宗教など関係なく世界共通の気持ちではないかと思います。
特に、マレーシアへの移住を考えている際に、その国の主要な宗教であるイスラム教について学ぶことは、単に知識を深めるだけでなく、新たな土地での生活を豊かにし、地元の人々との深い繋がりを築くための第一歩となると思います。
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