1ヶ月ほど前になりますが、クアラルンプール国際空港にて発砲事件がありました。
旅行会社経営者のマレーシア人女性のボディガードを務める男性が拳銃で腹を撃たれ重傷を負い、女性の夫であるマレーシア人男性(38)が逮捕されました。容疑者の個人的な動機による発砲と断定し、無差別テロやグループとは無関係とのことでしたが、海外にいると日本では考えられないような事件・事故・災害に巻き込まれるケースがあります。
万一、このような事態に遭った場合に、「在留届」の提出が非常に重要になります。
本記事では、在留届とは、在留届のメリット、よくある質問などについてご紹介いたします。
- 在留届とは
- 提出するメリット
- 提出方法
自己紹介
まる(@maru_Chuotto)です。
IT企業を退職して、駐在夫としてマレーシア移住した一般男性です。
在留届とは
「在留届」とは、外務省が海外にいる日本人の実態を把握したり、海外で邦人が巻き込まれたことが危惧される緊急事態やその他の事件・事故が発生したときなど、大使館や総領事館が在留邦人の安否を確認し支援を行ったり、メールによる迅速な情報提供を行う際に欠かせない資料です。
旅券法第16条により、外国に住所又は居所を定めて3か月以上滞在する日本人は、その住所又は居所を管轄する日本の大使館又は総領事館(在外公館)に「在留届」を提出するよう義務付けられております。
なお、海外滞在が3か月未満の方は、滞在先の最新の海外安全情報や緊急事態発生時の連絡メールなどを受け取ることができる外務省海外旅行登録「たびレジ」に登録することをおすすめします。
いつ提出する?
2024年5月1日以降は、「オンライン在留届(ORRネット)」を通じて、日本出発90日前から、住所が確定していなくても届出が可能となりました。
在留届を提出するメリット
地域の安全情報を得られます
在留届を出すことで、事件・事故・災害に関する地域の安全情報などをメールで受け取れるようになります。
例)事件等の発生情報
差出人:在△△日本国総領事館 件名:【緊急】 ○○○○大学内における銃撃事件の発生 |
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○詳細は不明なるも、×日午前9時過ぎ、○○○○大学内で銃撃が発生した模様です。 ○最新情報の入手に努め、付近には近づかないよう注意してください。 ○本件に関して、邦人が被害に遭ったとの情報がある場合は、在△△総領事館までご連絡ください。 (問い合わせ窓口)在△△日本国総領事館電話:△△△-△△△△ |
生活情報を得られます
在留届を提出していることで、大使館・総領事館より日本の国語の教科書の無料配布なども受けることができます。
例)教科書の配布
差出人: △△日本国総領事館 件名:平成30年度小・中学生向け前期教科書配布 |
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○平成30年度前期小・中学生向け教科書の配布を開始いたします。 ○配布の対象となるのは昨年9月末までに当館に配布申請を行った方となります。 当館では、管轄地域内(△△省)に在住する方で、昨年9月末までに当館に配布申請を行った方を対象に、前期教科書の配付を行います。なお、△△日本人補習学校に在籍中の児童生徒は、学校から配付されますので、受け取りの必要はありません。また、△△市在住の児童生徒は当館在△△領事事務所から配布します。当館から配布することはできませんので、ご注意ください。受取方法等、詳しい情報は、下記URL(当館ホームページ)よりご確認ください。 【問い合わせ先】△△日本国総領事館 領事担当電話:△△△-△△△△ |
海外から選挙に投票できます
在外公館で在外選挙人登録などの領事窓口サービスを受ける際にも、「在留届」は利用されています。
例)在外選挙のお知らせ
差出人: 在△△日本国大使館 件名: 第XX回衆議院総選挙における在外投票の実施について |
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○当館における投票所は、XX月XX日からXX日までのX日間、午前9時30分から午後5時まで開設します。 投票には、(1)在外選挙人証、(2)パスポート等の身分証明書が必要です。 ○その他、郵便等投票や日本国内における投票の方法もあります。 ○衆議院の小選挙区は、在外選挙人証の表面に記載されていますが、本年7月に区割り改定が行われたことにより、変更が生じている場合もありますので、ご確認ください。 第XX回衆議院総選挙の在外投票が以下のとおり行われます。 1.選挙の日程 ○ 公示日:平成xx年xx月xx日(火)○ 在外公館投票の開始日:平成xx年xx月xx日(水) ○ 日本国内の投票日 :平成xx年xx月xx日(日) ~中略~ 【問い合わせ先】在△△日本国大使館領事部電話:△△△-△△△△ |
提出しないとどうなるの?
在留届は提出しなくても罰則はありません。
ただ在留届を提出していない場合、現地の大使館や総領事館はあなたの存在を把握できていません。これが特に問題となるのは、在留邦人が事件、事故、災害などに巻き込まれた場合です。届出があれば、在留届に記載されている住所や緊急連絡先に基づいて、安否の確認や日本国内の家族への連絡が可能になります。
どのように出すの?
「オンライン在留届(ORRネット)」で手続きしてください。
必要情報は下記のとおりです。
- 氏名
- 生年月日
- パスポート番号
- メールアドレス
- 住所(未定の場合も提出可能)
- 職業
- 電話番号(未定の場合も提出可能)
- 在留地の緊急連絡先
もし、オンラインでの届出ができない場合は、書面の在留届を在留地を管轄する大使館・総領事館に直接出向いて提出するか、郵送にて提出してください。
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